脂漏性皮膚炎とは
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)とは、頭や顔などの皮脂の分泌量が多い部分に湿疹ができる病気です。頭皮からフケ(白い粉状の皮膚片)がポロポロ落ちたり、しつこい痒みを伴ったりする症状が、いつまでも治らない場合は、脂漏性皮膚炎の可能性があります。赤ちゃんから大人まで起こりうる病気ですが、生後2週~12週の乳児と思春期~40歳くらいの方に発症することが多いです。成人が発症すると、慢性的(いつ完治するか不明なくらい長期間続く)かつ再発性がある場合が多いです。
脂漏性皮膚炎の症状
脂漏性皮膚炎では、頭皮のフケが多くなったり、大きめのフケが頭皮にこびりついたりするような症状が見られます。また顔では、眉毛や、小鼻(鼻の周り)、こめかみ、耳の裏側などの皮脂の分泌量が多い部分が赤くなったり、油っぽい細かい皮がこびりついたりする症状が見られます。頭や顔に症状が出る方が多いですが、胸部やワキ、背中にも症状が出る方もいます。かゆみはない場合もあります。
軽症の場合は、乾燥肌やフケ症と思って、病院に行かずに放置してしまう方も多いかと思います。しかし悪化すると、硬い皮で覆われてしまったり、赤い円形の斑が出てきたりすることもあります。 一度症状が出ると自然に治るということは困難ですので、症状が悪化する前に皮膚科を受診することをお勧めします。
脂漏性皮膚炎の原因
脂漏性皮膚炎では、いまだ明確な原因はわかっていません。今のところは、以下のような原因が影響していると考えられています。
①入浴不足や洗顔不足による皮脂の蓄積
②マラセチア菌(皮脂の多い場所を好むカビ)の増殖
③寝不足などの生活サイクルの乱れ
④偏食(高脂肪食・肉食中心、ビタミンB群不足)
⑤過度のストレス
⑥遺伝
日常の注意点
生活習慣の乱れに注意
脂漏性皮膚炎は、生活習慣の乱れが関係していることが多い病気です。ですので、生活習慣を改善していくことで症状が改善することもあります。栄養ある食事をとったり、ストレスや睡眠不足を避けたりすることで、悪化防止、症状の改善に繋がります。特に食事においては、ビタミンB群を多く含む食品(レバー、しじみ、牛乳、卵、 ほうれん草、トマト、キャベツ、シイタケなど)を積極的に取るように心がけることがよいでしょう。一方で皮膚に刺激をもたらすような、脂肪、糖分、コーヒー、アルコール、香辛料などのとりすぎには注意しましょう。
適切な洗顔・洗髪
皮脂が原因となっている病気ですので、適切な洗顔・洗髪で皮膚を清潔に保つことも重要です。さらに、自身に合っていないシャンプー・ボディーソープ等を使用していることが原因になっている場合には、買い替える必要があります。頭皮の状態は個人差も大きいので、ご自身に合ったものを探してみてください。最近では、抗真菌薬・ミコナゾール含有のシャンプー・リンスや洗顔石鹸を、ドラッグストアなどで購入することができます。すべての方に効果があるとは断言できませんが、試してみてもよいかと思います。